【題名】 ’06年度「生き物環境再発見(知多自然調査隊)」ふりかえり
      【’04年度からの新規テーマ】

小川展弘
【活動趣旨】---知多市環境課受託テーマです。
 @身近な生き物を観察し自然環境の違いにより見られる生き物の違いを発見する。
 A生き物の生息状況を地図や図に表し、生き物の生息環境を考える。
 B私たちと生き物が共生できる豊かな自然を考える。
【活動内容】
@自然観察による生き物調査
A生き物リストの作成
B生き物の生息マップ作成
C広報やホームページの作成
【活動方法】
@継続活動を希望するリピート会員を広報、チラシなどで公募する。
A活動域は知多市全域とし知多自然観察会と合同で年間を通じて活動を行なう。
B観察会では生き物の記録を取り(メモ、デジカメ、スケッチなど)、子供が中心で簡単な絵図に纏め公共施設に掲示、環境啓発出来るようにすることを原点とする。
Cまた「生き物記録マップ」の作成結果を基にデーターベース化を図り、将来構想である『生息マップ』作成の一助とする。
D活動は原則毎月第4土曜日とし『知多市自然調査隊』と改称、親近感を目指す。

【’06年度活動結果の総括】
一般参加者へは“どのような生き物が、どんな環境に棲んでいて、かつ人とどのような係わりを持つか等を意識を持って観察しましょう”の心構えをお願いしている。
@観察サイトの設定:昨年度は旭、大草公園、岡田小、中部中,八幡公民館、図書館周辺,大興寺,中電グリーンロードなど変化を持たせた。今年度は佐布里池周辺、佐布里の寺・鎮守の森巡り、知多臨海地帯の緑地観察など身近な地点の自然環境観察に重点を置いた活動を展開した。
A一般参加者の動静:今年度は、一般参加者が減少傾向となったことは否めないが観察結果の分ち合い、振り返りで通年の動植物生態観察は貴重な財産となった。

【’07年度の活動方針(案)】
 市環境課と協議を重ね、一般会員の集客・会員間の更なる触れ合い向上を目指し次のような方向付けを行った。また活動日も参加し易く有利な日曜日に変更した。
@自然に親しみながら結果として自然環境を考える前記【活動趣旨】に則った活動⇒知多観察会メンバーの方照会で知多市八幡地区にある大祥院境内の活用(一部畑作や果樹園として開墾、利用中)。
A日程(案):大祥院境内での活動---4/22(日)、5/20(日)、11/4(日)、’08.3/2(日) ’07年度は年4回の活動。(筍取り、芋苗植えと収穫など---"大地の恵み子らへの宝")。

【’06年度の振り返り】
≪佐布里池周辺の観察≫
 知多市の中でも最も自然の残された佐布里池は周辺の公園や水田には草花、昆虫、野鳥など多くの生き物が観察できます。
@東側域では半島状に突き出た地域で池が建設される当時は知多半島の典型的な植生であったマツ主体の貧栄養の薪炭林でした。これをこの地域の潜在植生を考えクスノキ、タブノキを主体とした照葉樹林が計画的に植栽され順調に成育し水源の森、鎮守の森となりました(5/27)。
A西側は風に運ばれてきたと思われるポプラ、鳥に運ばれてきたサルトリイバラ等が自然の力で生育範囲を広げているのが観察できます(4/22)。
≪鎮守の森の観察≫
 圧巻のシイノキ林を主体とした日長神社のほか諏訪神社、天徳院も同様にシイ、クスノキの照葉樹林とスギ、ヒノキとの混合林、やや荒れた竹林などで囲まれた寺院です。大正元年、村の安全祈願の献納塔が建立されていました。(6/24)
 ≪鍛冶屋川の指標生物調査≫
水生生物調査の手法で実施した結果、今回の調査では””少し汚れた”〜”汚れた”の間と推定されます。自然に近い川に要求される条件としては@川の淵が土の土手で植物が茂っていることA川が蛇行して瀬と淵が形成され変化のあること底質が礫、砂、泥など変化があることC水生植物が沢山茂っていることなどです(7/22)。
  ≪知多臨海地帯の緑地観察≫
 出光製油所のグリーンベルト周辺を観察しました。創業以来30年経過した幅100m、長さ1、000mのグリーンベルトには入ると外来種のトウネズミモチが周囲を憚らずに活き活きと高く聳え更にトウカエデ、セイヨウヒイラギ、モウソウチク等の外来種で森林形成されているのに気付きました。知多地方の山で普遍的に見られるカクレミノ、ヒサカキ、モチノキ、クロバイ、クヌギなどの植栽を薦め、併せてアケビ、スイカズラ、などのつる草植えなどのアドバイスもしました(9/23)。

 本テーマは観察会として新しい行事プロジェクトで実験的な要素があります。従って 単年度の終了ではなく,ある程度時間を掛けた息の長い活動を目指します。
                                                  
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