ツルニンジンの花のしくみ
岩本 妙子
ツルニンジンの花の写真を見て気に入ってしまい、種をまいて育て開花させようと思い立った。2010年の2月に市販の種まき用土に播種し、発芽率は悪くなかったが、植え替えて夏を越す間に少しずつ減って、秋には4本残った。その1本は蕾を着けたが、開花しなかった。
2011年早春、10号鉢に3本を硬質鹿沼土主体の用土に植えた。1本は冬の間に消えていた。無事発芽、夏の暑さには弱そうなので、半日陰で夏を越した。
9月に入ると、多数の蕾が見えてきた。種子を取りたいと思い、30程度に減らした。
9月26日、がくが割れて、花冠が現れた。
9月27日、開花。夕方には完全に開いた。
[9月22日] [9月26日5:59] [9月27日11:48]
9月28日、人工授粉をしようと考えた。おしべの花粉を取り、めしべの柱頭に着ければよい。
さて、おしべには花粉が無い。そして、めしべと思われるところには粉がいっぱい着いている。
その粉をめしべの柱頭と思われるところにつけようとするがむずかしい。
9月29日、めしべの柱頭の形が変わっているのに気づいた。前日はワイングラスのようであったのが、ラッパのように開いている。また、他の花も開花し始めたので、今度はラッパの部分に、他の花の粉を着けた。
それにしても、開花したばかりの花のめしべについていた粉は花粉だったのか。おしべは確かに5本ある。葯もある。開花したときは、その葯には花粉が殆ど無い。ということで、開花前の蕾を割ってみる。そこには細かい毛の生えたワイングラスと、それを取りまくおしべの葯が出てきた。つまり、葯は開花以前に熟し、めしべに付着する。そのとき、柱頭部分はグラスの内側になっていて、花粉はつかない。柱頭がラッパのようになったとき、柱頭に花粉が着く。と推察する。背中に白い粉をつけたスズメバチが花冠にもぐりこんでいる。これって、自家受粉を避けるのに役に立つ????